【ストレッチの目的や種類】症状別のおすすめストレッチをご紹介
ストレッチはなんとなく身体に良いイメージをお持ちの方も多いと思いますが、改めてストレッチの目的は何かと聞かれると、答えに困る人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ストレッチにはどのような目的があるのか、またストレッチの種類や症状別のおすすめストレッチを紹介したいと思います。
(目次)
1.ストレッチの目的
1-1.ケガの予防
1-2.疲労回復
1-3.血行促進
2.ストレッチの種類
2-1.静的ストレッチ
2-2.動的ストレッチ
3.症状別のおすすめストレッチ
3-1.腰痛予防のストレッチ
3-2.肩こり対策のストレッチ
3-3.冷え性改善のストレッチ
4.まとめ
1.ストレッチの目的
それでは早速ですが、ストレッチの目的について見ていきたいと思います。ストレッチにはおもにケガの予防、疲労回復、血行促進といった目的があります。
1-1.ケガの予防
運動をしている人なら必ずと言っていいほどストレッチをおこなっているものですが、その目的としてケガを予防することがあげられます。ストレッチをおこなうことによっていわゆる「ウォーミングアップ」ができる訳です。
また運動をする際には関節に大きな負荷がかかります。その時に筋肉が硬いと、関節を痛めるリスクが高くなるのです。運動前にストレッチをおこなうことで関節の可動域を広げておけば、運動による衝撃から関節を守ることができます。
1-2.疲労回復
ストレッチには疲労状態を速やかに回復させる目的もあります。運動をした後にストレッチをおこなうのは、疲労物質を速やかに体外に排出させるためです。運動後にストレッチをおこなっておかないと疲労物質が蓄積し、その結果として筋肉痛を発症してしまうのです。
またストレッチには副交感神経を優位にする効果もあります。簡単にいうとリラクゼーション効果です。私たちの身体は自律神経の働きによって支配されています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれ車のアクセルとブレーキの関係にたとえられます。運動をしているときにはアクセルを踏み(交感神経が優位になり)、身体を休めるときにはブレーキを踏む(副交感神経が優位になる)という訳です。
つまり運動後にストレッチをおこなっておかないと、交感神経優位の状態が継続してしまい、疲労回復に時間がかかることとなるのです。
1-3.血行促進
血行促進もストレッチの目的の1つです。筋肉というと関節を動かすためのものというイメージがありますが、筋肉にはそれ以外にも体温を発したり、血液の循環を促したりする働きがあります。
血液は心臓が拍動することによって全身の各部へと送られますが、心臓には血液を戻す働きはほとんどありません。そのため全身へと送られた血液は、筋肉が収縮することによって心臓へ送り返されるのです。
この働きのことを「筋ポンプ」と呼んでいますが、筋肉が硬くなると血管が圧迫されるため、心臓へと血液を送り返す力が弱くなってしまいます。また筋力の低下自体も血行不良の原因となります。
女性に冷え性やむくみが多く見られるのは、男性に比べて筋肉量が少なかったり、筋力が弱かったりするためです。そのため、ストレッチによって血行が促進されれば、冷え症などの改善効果も期待できるのです。
2.ストレッチの種類
ストレッチの目的についてはご理解頂けたことと思いますが、ストレッチにもいくつかの種類があります。実は運動前におこなった方がよいストレッチと、運動後におこなった方がよいストレッチは異なっているんですよ。
2-1.静的ストレッチ
静的ストレッチはスタティックストレッチとも呼ばれています。一般的にストレッチといった場合にイメージされるのは静的ストレッチであるケースがほとんどです。
静的ストレッチは反動や動きをともなわないで、局所の筋肉を数十秒間にわたって伸ばし続けるタイプのストレッチです。静的ストレッチは運動後におこなうのが最適とされます。
2-2.動的ストレッチ
動的ストレッチにはダイナミックストレッチとバリスティックストレッチの2つがあります。本稿では両者の違いについて詳しくは述べませんが、両者とも運動前におこなうのが最適とされます。
なぜなら運動をする際には、筋肉を瞬間的に収縮させることが求められるからです。運動前に静的ストレッチをおこなうと筋肉が弛緩するため、運動のパフォーマンスが低下するだけでなく、ケガのリスクも高くなってしまいます。
日本人なら誰でも知っている「ラジオ体操」も動的ストレッチの一種です。身体をいろいろな方向にねじったり曲げたりしながら適度に筋肉を緩めることで、関節の可動域を向上させることが可能です。
それによって怪我のリスクを下げることができるだけでなく、運動のパフォーマンス向上も期待できます。昔は運動前も静的ストレッチをおこなっていたものですが、最近は動的ストレッチをおこなうケースが増えています。
3.症状別のおすすめストレッチ
ストレッチにはケガの予防効果があるということなので、慢性的な症状に悩まされている人に最適です。では症状別におすすめのストレッチを紹介したいと思います。
3-1.腰痛予防のストレッチ
日本人の多くが腰痛に悩まされていますね。
慢性的な腰痛は腰や股関節周りの筋肉が緊張していることによって痛み・だるさを出現させている事が多いです。
腰痛は身体の各部にある筋肉が緊張した「結果」として表れます。ではどこの筋肉に緊張がみられるかというと、大部分が骨盤周囲(殿部や股関節など)の筋肉です。
原因不明とされる腰痛は、殿筋群などのストレッチで予防・改善が可能です。ストレッチのやり方はとても簡単で、仰向けになった状態で膝を抱えます。
そして抱えた膝を反対側の方へ引きつけるようにしましょう。少しひねりを加えてあげることによって、より効果的に殿筋群などを緩めることが可能です。
3-2.肩こり対策のストレッチ
女性の中には肩こりや首こりに悩まされている人も多いと思いますが、肩こりや首こりも腰痛と同じく「結果」として現れています。
肩コリや首コリの原因は実にさまざまな場所に潜んでいるのですが、デスクワークの方の場合で首を動かしづらい、首を動かすといたいというような人の場合、大胸筋、小胸筋が原因となっているケースも多いです。これらの筋肉が硬くなると肩甲骨を前に引っ張ってしまい、猫背の姿勢になってしまいます。
大胸筋のスチレッチはまず、大の字になります。
それから片足を反対側へ倒していきましょう。
そうすると胸の前の筋肉が伸びてきます。
反対側も同様におこないましょう。
3-3.冷え性改善のストレッチ
冷え性の改善にはふくらはぎのストレッチがおすすめです。ふくらはぎは心臓から一番遠くにある大きな筋肉であり、重力に逆らって血液を上方へと送り返さなければなりません。
そのためふくらはぎの筋肉が硬くなると、全身の血行が悪くなり、冷え性のリスクも高くなるのです。ふくらはぎのストレッチは壁に両手をついておこないます。片足を後ろに下げ、反動をつけないようにゆっくりと伸ばしましょう。
4.まとめ
ストレッチにはケガの予防効果や、運動のパフォーマンス向上などさまざまな効果があります。また慢性疾患の予防・改善にも効果的なので、ぜひ日頃からストレッチをおこなってくださいね。ただしストレッチをしたときに痛みがある場合はただちに中止し、適切な治療や施術を受けるようにしてください。